日本貸金業協会が、相談サービスの中でカウンセリング活動も行っています。

国の多重債務者の教育と相談窓口

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国の救済・防止の提言

1983年の貸金業規制法施行以来、大蔵省および金融庁は幾度も多重債務問題に関わる諮問会議を開催しました。

 

その都度、提言事項に上げられたのが以下の3点です。

①消費者に対する金銭教育の充実

 

②個人信用情報機関の拡充

 

③相談窓口の整備

 

 

①は融資を受ける前の予防的な側面です。

基本的な家計管理の能力を高めることと、必要があって借入を行う場合でも適切なサービスを選択できる能力を身につける事が主眼となります。

 

だが、日本ではお金にまつわる事の教育への抵抗感が根強かったことや、進学に必要な科目に教育の重点を置く傾向にあったことから、金銭教育に関しては余り力を入れてきませんでした。

 

 

②は、金融サービスを提供する側が適切な与信をすることで過剰融資にならないためのインフラの設備です。

日本の個人信用情報機関は長い間、銀行などの金融機関、信販などのクレジット会社、消費者金融などの貸金業者の実態別にそれぞれ情報機関が整備されており、事態横断型の情報機関もあったもののそこに加盟しているのは一部であったのです。

 

業態別3機関は長期延滞などの異動情報に限定して交流を行ってきましたが、それでは過剰融資を防止するためには不十分だと指摘されてきていたものであります。

 

 

③は深刻な状態となってから初めて相談窓口を探すのではなくもっと早い段階で手軽にアクセスできる窓口を拡充する必要があるということと、様々な相談窓口が連携をとってノウハウの向上を図る必要があるということです。

さらに、債務整理だけでなく生活再建につながる心理的・家計的カウンセリングの必要があるとされています。

 

 

これらの課題は、何度も繰り返し提言されていながらなかなか実行に至らなかったものでもあります。

教育については必要なテキストや資料作りなどが行われたり、金融庁や業界団体などのホームページで情報提供をするなど、それぞれの立場で試みは行われていますが、成人して社会に出るまでの教育体制の中で誰でもがその教育を得られるというレベルには達していません。

 

これは教育者自身が質・量ともに不十分であることも課題になっているのです。

 

 

 

改正法は改善を進めたか

今回の法改正で、結果的に一歩前進したのが個人信用情報機関の整備です。

 

これはあくまでも目的は総量規制実施のためでありますが、改正貸金業法で個人向融資を行う貸金業者は、指定信用情報機関に加盟して情報を照会し登録する義務が課せられたため、少なくとも貸金業者の範囲においては情報の拡充に繋がっています。

 

 

ただし、金融機関はその対象外となっているのです。

すべての情報が網羅されているというのではなく、また、廃業した業者の保有する債権情報やサービサーなど法対象外の業者に譲渡された場合も対象外となっているため、情報の欠落状況を起こしています。

 

改めて、個人信用情報機関の在り方という観点から検討しなければならないでしょう。

 

相談窓口

相談窓口に関しては、政府の多重債務者対策本部が法改正後に最も力を入れたところであり、各地方自治体を中心にした相談窓口の体制整備が行われています。

 

ただし、地方自治体によってそのレベル感はまちまちで、対応をしていても債務整理のために弁護士会に紹介しただけで終わるというところもあるのです。

 

 

生活再建のためのカウンセリングというレベルになると、なかなか十分なサービスを受けられてるとは言えないでしょう。

法改正で設立された日本貸金業協会が、相談サービスの中でカウンセリング活動も行っていますが、まだ十分に浸透しているとは言えません。

 

すなわち長年にわたって課題とされてきたものが、未だに不十分なままなのです。

 

それらが不十分なところに、行き詰った人たちを送り込んでも根本的な解決にはならないのです。